やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/03/26
永年勤続表彰旅行制度を導入する場合の所得税法上の留意点

[相談]

 私はこのたび、父の跡を継いで社長に就任しました。
 我が社では父が創業したころからずっと勤務してくれている従業員が数多くいるため、社長就任を機に、我が社も永年勤続表彰制度を導入しようと考えています。

 表彰対象者には、特別休暇を与えて旅行に行ってもらうことを考えていますが、その旅行について、@会社が手配した旅行に従業員を招待する場合(招待旅行)と、A従業員に旅行券を支給して、従業員にその旅行券を自由に利用してもらう場合(旅行券の支給)とで、所得税法上の取扱いは異なるでしょうか?


[回答]

 ご相談の場合、招待旅行、旅行券の支給のいずれの場合も、一定の要件を満たせば所得税は非課税となると考えられます。詳細は下記解説をご参照ください。


[解説]

1. 招待旅行の場合

 所得税法上の原則では、会社が従業員の永年勤続表彰を行い、その記念として旅行に招待することは、その従業員が旅行費用相当額の「経済的利益」(給与等)を受けたものとして課税されることとなります。

 ただし、その経済的利益が次に要件のいずれにも該当する場合には、課税しなくてよいこととされています。

  1. @ その経済的利益の額が、その従業員の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められること。
  2. A その表彰が、おおむね勤続10年以上の従業員を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける従業員については、前の表彰からおおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること。

 このため、今回導入する永年勤続表彰制度において貴社が招待旅行を実施される場合には、上記の点についてご留意いただく必要があります。なお、「社会通念上相当と認められる金額」については、実務上は、勤続年数にもよりますが10万円程度まではその範囲に含まれるものと考えられています。


2. 旅行券を支給する場合

 永年勤続表彰において金銭を従業員に支給する場合には、その支給した金銭は従業員に対する給与等として所得税が課税されます。

 また、旅行券などの金券を従業員に支給した場合についても、旅行券には換金性があることなどから、金銭の支給と同様に、原則的には所得税が課税されることとされています。

 ただし、次の要件を満たしている旅行券の支給については、所得税は非課税とされています。

  1. @ 旅行券の支給後1年以内に、従業員がその旅行券を使用して実際に旅行すること。
  2. A その旅行の範囲が、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含みます)であること。
  3. B 旅行券を支給された従業員が、その表彰旅行について所定の必要事項(氏名・旅行日・旅行先・旅行費用など)を記載した報告書を作成し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して会社に提出すること。 
  4. C 旅行券の支給を受けた従業員が、旅行券の支給から1年以内に旅行券を使い切れなかった場合(一部だけ使い切れなかった場合を含みます)には、使い切れなかった旅行券を会社に返還すること。

 なお、旅行券を支給する対象者等については、上記1.の点にも留意する必要があります。


 永年勤続表彰制度を導入される場合には、表彰規程を整備するだけでなく、上記の税務上の取扱いにも留意する必要があります。税務上の取扱いに不安がある場合には、事前に当事務所へご相談ください。


[根拠法令等]
 所法36、所基通36-21、昭60直法6-4など


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